黒部市東布施の特色

資源内容
僧ケ岳
北アルプス立山連峰の北端にあり、標高1,855.4m、布施川の源流である。地域の振興の山であり、地域に伝わる民謡「布施谷節」の中でも歌われている。この山は、春の雪解け時、僧や馬などの雪絵が現れる
布施川
二級河川でイワナ、ヤマメ、アユ釣りが楽しめる清流。地域は布施川の上流右岸の中山間地域である。
田籾川
布施川の上流部に位置する支流、イワナ、ヤマメ、アユ釣りが楽しめる清流。
尾山大谷川
アユ釣りが楽しめ、石積護岸や親水ゾーンが整備されている。ニブ流しが行われる。
嘉例沢森林公園
公園内にある鋲ケ岳頂上からの展望はすばらしく、キャンプ場にブナ林、ミズナラ林があり、野鳥の楽園となっている。僧ケ岳への登山道も整備されており、市民の憩いの森として、また、「とやま森林浴の森」として利用されている。
鼻の滝
標高450mの地点にある切り立った断崖から、二筋に分かれた滝が30m下へ一挙に落下している。その様が人の鼻のように見えることから、鼻の滝と呼ばれている。
布施川ダム・周辺公園
僧ケ岳を水源とする布施川の上流にある「布施川ダム」の周辺では、おいしい空気と景色と散策を楽しんだり、水と戯れたりできる。
棚田(田籾、池尻)
棚田(田籾、池尻) 中山間の斜面にはたくさんの棚田が造られ、その農村景色は私たちに安らぎを与えてくれる。また、東布施地区全体を見渡すことができる。
笠破頭首工
二級河川布施川より灌漑用水を取水するための施設で、布施川両岸の水田(360ha)を灌漑している。
黒部市東布施トレーニングセンター林業者や地域住民のトレーニング施設として使用する体育室や林業研修施設がある。隣接広場では毎年、「布施谷まつり」が行われている。
布施谷節
市・無形民俗文化財
昭和31年1月13日指定
黒部市東布施地区布施川流域に伝唱されてきたもので、婚礼などの祝儀歌として歌われ、めでた節とも言われている。
嘉例沢の石仏
県指定文化財[史跡]
昭和40年2月1日指定
黒部市嘉例沢305-5
魚津市の東城から、福平・嘉例沢を経て下立に通じる古道の側にあり幅約5m、高さ約5.8mの凝灰岩の大岩に浮彫した五体からなる磨崖仏である。前面のほぼ中央に、左から地蔵菩薩立像三体が彫られている。この像は下の蓮華座とも総高約1mで、それぞれの印相・持物を違わせた古拙な半肉彫である。伝説では行基菩薩の作といっているが、近年の調査では室町時代の作である。凝灰岩の大岩に浮彫した五体からなる磨崖仏で、県内では上市町の大岩不道明王坐象に次ぐ大きさである。
木造千手観音立像
市指定文化財[彫刻]
平成18年8月29日指定
黒部市嘉例沢153観音堂
(嘉例沢集落歴史保存会)
山村集落で中世の文化地域が伺われる、嘉例沢の観音堂に古くから安置されていた。千手観音は千の手と、千の眼で苦難と悩みをもつ人々を救う働きと、やさしさが無限であることを象徴していて、その意味での究極の仏である。様式は一一面四二臂の通常の千手観音立像であるが、現在は九面二三臂で面と臂が欠落している。像の高さは31cmで、木寄せは不明であるが、玉眼(目の中に水晶をはめ込む)、漆箔(仏像彫刻などで漆を塗った上に金箔を押した技法)を用い、顔の頬が円くたっぷりしていること、腰から下に着けている裳の襞がおとなしく、柔らかな面で表されていることなどから安土桃山時代から江戸前期の特徴がある。全体から受ける印象は容姿、端麗にして、目はうつむきかげんな眼差で仏の慈しみの心を感じさせる。市内に残るこの時代の代表作の一つである。嘉例沢集落は平成12年から住む人が居なくなり、歴史ある観音堂が朽ち果てる事に心を痛めた村民は嘉例沢集落歴史保存会を結成し、観音堂を新たに建立し、この木造千手観音立像や他の仏像を保管、村民の心の拠り所として後世に保持し伝え残す機運が高まった。
白山社のウラジロガシ林
市・天然記念物
昭和63年4月30日指定
黒部市福平1603(白山社)
布施川上流の標高240mの台地にある白山社境内に、10本余りが白山社を囲むように生育している。
尾山の七夕流し
県・無形民俗文化財
平成16年7月16日指定
黒部市尾山地区
毎年8月7日に行われ、一年のけがれを流し、息災を祈る。紙で作られた姉様人形、杉葉舟や行灯などを小川に流す。
朴谷の獅子舞
平成元年に獅子舞を復活させ、地区のイベントや祭りに披露し、伝統文化の継承を続けている。
中陣のニブ流し
県・無形民俗文化財
平成6年2月24日指定
黒部市中陣地区
毎年7月31日に行われ、労働の妨げとなる眠気の精霊とけがれなどを麦わらで作った舟に乗せて追い払う。
炭焼き
炭焼き施設を復活させ、地域の高齢者が中心となって製炭活動を行い、炭の販売や子どもたちの体験学習の指導等に取り組んでいる。
コシヒカリ「名水の里 黒部米」の黒部ブランド名で販売されている。
山菜
毎年、布施谷まつりが開催され「山菜水煮(うど、あざみ、わらび、ぜんまい、野ふき)」の黒部ブランド名で販売されている。
そば
耕作放棄地の復元田や転作作物として栽培されている。収穫後は布施谷まつりに使用されている。
源氏ボタルの生息地釈迦堂地内を流れる前川の下流で、毎年6月に蛍の乱舞が観察できる。
わら細工わらを使って、しめ縄、靴づくりの技術。現在、しめ縄作りの継承活動が行われている。
先人からの伝言「永久的警告」
地域の残されている先人からの言い伝え、東布施公民科所蔵。「永久的警告」
本村は布施川渓谷東西二里、南北二町ないし十町なる狭き山間の低地にして、北は布施山、南は西布施村高原をもって囲まれ、東西に布施川これを貫き一朝洪水のことあるや濁水渓谷に満ち、田地人家ことごとく水中に没すること古来数回なりと言い伝う。 ことに狭隘なる水田なれば、尺寸の地も惜しまれて人家は田の中央に点々たるの余裕を許さず、自然各部落は布施山山腹に接して連村の形をなせるは止むを得ざることなり。しかし、かかる家立ちは一朝水害の逞(てい)しきに際し甚だ危険なる状態を招くの原因となるものなり。 この図は明治四十五年七月二十二日大洪水における未曾有の惨状を実写せしものなり。 午前四時より降り出せる豪雨は盆を覆すに似たり。たちまちに大洪水となり、見渡す田?(めん)は北布施山際より南西布施高原に至るまで一面の濁流と化し、避くるの途(みち)は唯々各部落の北方布施山あるのみ。 然るにこれ唯一の避難地と頼める山岳は、豪雨のため地層は雨水の浸入に耐えず多くの山すべりは連続し来たり。 百雷のごとき音響とともに水煙もうもう天地を覆うの勢いをもって、樹木、泥土は急転直下数百尺の絶壁より崩れ落ち、にわかに各所に家屋を飛ばし人畜を埋没せしむ。 しかもその山すべりは何時(いつ)何処(いずこ)に起きるやを前知する能(あた)わず。前に避くれば濁流あり。後に逃げれば山崩れあり。左右いずれに行きて危害に遇わんも計りがたく、人心兢々(恐々)として、ただ己が運命を天に頼みて自宅前庭に家族一同泣きたたずむのみ。もちろん隣家を顧みるの暇を許さず。 やがて雨止み水減じて胸を撫で各地の情報の至るを待っては尾山、田籾の両校ともに被災を免るるを得ず。一は山崩れに、一は激流に浚(さら)わると交交(きょうきょう)至る各部落人家の流出、人畜変死等一として悲惨の報ならざるはなし。各自、己が遭難のなお恕(ゆる)すべきを知り、家屋の破壊、田地の流出を諦むるがごとき惨状を呈せり。しばらくして、全村の被害実に四十万円の多きを数え、堤防全潰、用水閉塞、東布施の天地はただ暗澹(あんたん)として天日暗し。忘るべかざるは七月二十二日こそ。 しかるに、本村の位置前述のごときをもってかくのごとき被害のあるべきは葢(がい)し免るべからざるなり。口碑の伝ふる所によれば、今より九十年前にかかることありしと。すなわち「七月十日水」とて今もその惨状を伝う当時の惨状に遇えたる人は、必ず今後もかかる災害あるも再び悲惨のあらざるよう、それぞれの注意をなし子孫を戒めたるならんも、歳月を経たる今日何時しかこれを忘れたるものならん。 現に昨年の山すべり起こしたる各所は、必ず以前「七月十日水」に崩れたる所、またはその付近なることを発見せらる某技師の見るところをもってするも、今崩れたる跡に草木茂り腐植土を生ずるに至れば必ずまた崩れ落ちるものなりと。 葢(がい)して百年目ごとにかかる被害の起こるは止むを得ざるものならん。ここにおいて余輩は村将来のため、これを未発に防ぐの策を講ぜんとするものなり。これ本施設を要する所似(ゆえん)なり。 これを未発に防ぐ方法は種々ありといえども、これを後来永遠に訓戒するにあらずんば、その効を奏せざるべし。現に「七月十日水」にかかりし 人、永遠にこれを記念として各自は策を講じて子孫を訓戒せしならんも、二代三代をヘ経たる今日、これを等閑(なおざりの意)に附したるよりこの災害の免るべきを再びするに至り、大いに悔ふるの徒(かち)少なからず。 例えば某地は危険なりゆえに居住すべからずと聞きながら、これを等閑に家を建てたる者果たして災害を受けたり。あるいは我家の屋敷の木を伐るべからずと訓(おしえ)られたるも、何故なるやを知らざるよりこれを乱伐したるため、免るべき難を免かるべからずに至りし者少なからず。これを皆災を受けたる当時の人士にはこの警戒を守るも、数代を経たる後久にはこれを解するに由なきをもって自然等閑に附するに至れり。これ今回の災害を再び大ならしめたる所以なり。 ここにおいて、本校は本村将来の子孫に次のごとき警告を与え、かかる惨害の再び招かざらし事を望む。
警告(警告事項の詳細なる理由は別に永久的施設に記録せり。参照あらんことを要す。)
1 本災害は百年目毎に再現するものと覚悟すべし
2 宅地の東西北の三面は樹林をもって囲むべし
3 渓谷の正面に家宅を求むべからず
4 稍々(しょうしょう:ややの意)大なる渓流を有する渓谷には欅林を養成すべし
5 山林の乱伐は厳禁すべし
6 村民は一致協同公益を尊重しもって警告の実行に努むべし
大正二年七月
校 長  谷 島 清 六